プロ野球のキャンプイン報道は本当に必要なのか?〜キャンプ報道に反対する3つの理由〜

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今年も2月1日となりました。毎年、この2月1日になるとスポーツニュースはこの話題で持ち切りとなります。それは、プロ野球のキャンプインについてです。

自分自身も野球好きですし、年に何回も野球を見にいきますし、野球そのものは大好きです。でもそれはさておき、プロ野球キャンプに関する報道ってここまで必要なのか、というのは毎年とても疑問に思っています。

プロ野球のキャンプとは?

そもそもプロ野球でキャンプは何のために行うのでしょうか?プロ野球のシーズン開幕は個々最近は3月の下旬からとなっています。ちなみに2016年の開幕戦は3月25日(金)です。当然それに向けて選手は練習を進めていきます。

練習を進めるといっても、2月となると、まだまだ寒い日が続きます。野球は常時動いているスポーツではないですし、投げるという動作があり、寒い中で行うのにはあまり適していないです。そのため、多くの球団は沖縄や宮崎といった温暖な地でキャンプを行います。

開幕までに間に合うよう、体を仕上げていくのはもちろん、チーム連携などの練習もしていきますし、その中でレギュラー争いも生まれていきますのでキャンプ自体は必要なことだと思います。

他のスポーツではどうなの?

ところで、プロ野球のキャンプばかりが目立つのですが、当然他のスポーツだってキャンプをやっていないわけではないです。Jリーグの各チームも宮崎や沖縄など、各地でキャンプを行いますし、その他のスポーツでもシーズンが始まる前にはチームの戦術を理解したり、強化目的でキャンプを行います。キャンプと言わず、合宿というものもありますが、基本的には同じものでしょう。別にプロ野球のキャンプだけが特殊なのではなくて、シーズン前にキャンプ・合宿を行うなんてのはどのスポーツでも一緒かと思います。

なぜプロ野球だけキャンプ報道が過熱するのか?

そんな中で、プロ野球のキャンプ報道は異常なほど取り上げられます。2月のスポーツニュースを見ていると、プロ野球のキャンプ報道をしないところはないといっても言いでしょう。全チームの特集を組んで、今日のキャンプ情報のようなコーナーを作ることもあります。

例えばプロ野球専門チャンネルやプロ野球専門の番組でキャンプの話題を行うのならまだわかります。そのときのプロ野球の話題はキャンプしかないですし、当然それを取り上げるしかないですから。

でも一般の報道番組であってもスポーツコーナーはキャンプ報道がメインになります。それでも中身があるのならまだ良いですが、「休みの日にルーキー達が〇〇を観光しました!」とかそこはスポーツニュースとして必要か?と思う部分まで報道されたりしています。

なぜここまでキャンプ報道は過熱するのでしょうか?

各テレビ局、スポーツ新聞なども多くの記者をキャンプ地に派遣して、キャンプの内容を大々的に報道する。もちろんこれを楽しみにしている人がいて、その人がいるからキャンプの報道がさらに加熱する、という側面はあるでしょう。そこについてはキャンプ報道を楽しむ人側にも責任はあるんだと思います。

その一方で、あまりに加熱しており、そして、そういったキャンプ報道が毎年キャンプ報道を楽しみにしている人だけが見るものになっていくのも将来的にはどうなんでしょうか。

キャンプ報道に対して反対する3つの理由

個人的にはキャンプ報道はいらないと思っています。その理由としては以下の3点があります。

キャンプ報道が他のスポーツニュースの邪魔になるから

2月になるとテレビではキャンプ報道が続きますが、当然他のスポーツは公式戦を行っていたり、シーズン終盤を迎えていたり、シーズン最盛期になっているものもあります。例えばバスケットボールなんかはまさにシーズン真っ盛りですし、バレーボールなんかもシーズン中ですね。あと大事なところで言えば、ウィンタースポーツなんかもまさにシーズン終盤といったところを迎えているわけです。

別に他に何も報道することがないなら野球のキャンプを報道しておけばいいと思うんです。でも他にスポーツがあるのに野球が試合でも何でもない練習の様子を報道しているのはやっぱりおかしい。それであるなら他のスポーツを報道すべきでしょう。

それにプロ野球のシーズン中に、公式戦の報道ではなく、いきなり別のスポーツの練習風景、さらにはオフの日の選手達の観光の様子が流れるってなったら、プロ野球好きな人は嫌ですよね?それと全く同じことをキャンプ報道はやっているわけです。

野球嫌いの人がさらに嫌いになってしまうから

野球というスポーツは日本では圧倒的な人気を誇っていました。近年はプロ野球の中継が減ってきたとはいえ、各地方で地元チームの試合は放送しています。また、野球自体が他のスポーツ同様に、そもそも地上波で見るものではなくCSで好きな人だけが見るものに変わっていっています。

個人的にはそれでいいと思っています。特に昔は地上波で放送することで、他のテレビ番組が中止になってしまったり、放送延長で遅れてしまって、それが野球嫌いを生む1つの要因になっていたこともあります。

変にプロ野球報道を無理矢理報道するよりは、必要な時に必要なところで報道していく方が野球嫌いを生み出さないと思っています。上記の他のスポーツのファンからしたら、野球だけなんでキャンプなんてどうでもいいことテレビでやるの?という風に思われるなら、必要ないキャンプ報道はしなくてよい(専門番組やオンデマンドなどで好きな人が好きな時に見るものにする)ですから。

野球の地盤沈下の認識をなくしてしまうから

皆さんは野球人気って今でも続いていると思いますか?前述したように地上波での放送は少なくなっているものの、CSでの放送や地元での放送はありますし、何より観客数を見れば、今でも野球人気が続いている、いやむしろ現地で見るニーズは高まっているのではないか?とすら思います。ここについては問題ではありません。

大事なのは野球人口の方です。プロ野球や高校野球の人気を見ていると、野球はまだまだこれからも人気スポーツであり続けるし、安泰だなぁなんて思っていると大間違いです。

個々数年で小学生の野球離れは深刻になっています。

ちなみに野球離れについては高知新聞の特集記事がとても興味深いです。小学生でサッカーをやる子は多くても野球が選択されない時代になってきているということです。

この小学生の野球離れはキャンプ報道とは直接的に関係ないことですが、プロ野球や高校野球の観客面だけの人気をみていくと、若年層への野球人口という意味では危機感が薄れてしまいます。そして、マスを使った取り組みではなくて、地に着いた取り組みで野球人口の減少を食い止めるべきなのですが、こういった報道で野球はまだまだ人気だな、と感じてしまうことが間接的には地盤沈下の食い止めへの障害となっているような気がします。

最後に

すいません、ちょっと3つめの理由はこじつけ感がハンパないですが、それでもプロ野球や高校野球だけを見ていると、意外に気付いていない問題なので無理矢理ですが追加しました。

いずれにせよ、プロ野球のキャンプ報道ってそこまで見たいとは思わないのです。それは公式戦に入ってからどんどんやればいいのであって、キャンプの時点ではもっと少なくていいと思います。ちなみにこれはオープン戦も同じで、オープン戦もいってしまえば練習試合なのであって、好きな人は見に行けばいいものと思っています。

「キャンプでの取り組みによってシーズンがどうなるか決まる!だからキャンプ報道は必要なんだ!」という声もあるかもしれないですが、それは好きな人やコアな人がそう思えばいいし、個別に追いかけていけばいいのであって、一般大衆には報道する必要はないと思います。その理論で言えば、他のスポーツだってキャンプや合宿からガッツリ報道していかないといけなくなりますし。

そろそろプロ野球のキャンプ報道はなくしていきませんか?

 

 

コメント

  1. ike-ma より:

    全面的に賛成です。

    私は以前は野球少年でしたしプロ野球の大ファンでした。
    しかし今は日本の野球は大嫌いです。
    野球というスポーツが嫌いになったわけではありません。
    「日本の野球」が嫌いになったのです。
    いくつか理由はありますが、この記事に関連することだけ挙げると
    マスコミの報道の仕方が他のスポーツとの公平性を欠いているにも関わらず
    それが当然のように扱われている為、そんなマスコミを通して
    映像を見たり記事を読んだりする気持ちが失せた、ということです。
    気持ちが失せた、というより、報道に触れることをを拒絶するようになった、
    と言う方が正確かもしれません。

    マスコミが、野球嫌いを増やしている面は多分にあると感じます。

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