リスクマネジメントはリスクをマネジメントするのであって、すべてのリスクに対応することではないよ。

ビジネス

長いタイトルになりました(笑)。

一応今回は、以前に書いたことを付け足す感じで書いていこうと思います。

世の中で、特に仕事をしていく中で、よく使われる言葉って色々あるかと思いますが、リスクマネジメントという言葉もその一つではないかと思います。

会社内の会議・ミーティングでも出てくると思いますし、営業トークの1つとして「リスクマネジメントのために」というのを使う方もいるかと思います。

リスクマネジメントとは

そもそもリスクマネジメントとは何かを考えます。

リスクマネジメントは、「リスク」と「マネジメント」の2つの単語からできています。

リスクとは、

危険。危険度。また、結果を予測できる度合い。予想通りにいかない可能性。

ということを指します。

さらにマネジメントとは、

目標、目的を達成するために必要な要素を分析し、成功するために手を打つこと。

となります。なので、これを組み合わせると、リスクマネジメントとは、

「危険や予想通りに行かない可能性をふまえ、必要な要素を分析し、成功するために手を打つこと」

という感じでしょうか。

リスクマネジメントを行うということ

で、これをふまえてリスクマネジメントをするというのはどういうことになるでしょうか。

それは、大きく分けると、下記の3つの段階があるかなと思います。

  1. 自分にとってリスクとは何かを考える
  2. リスクがどれほど影響があるかを考える
  3. 必要あれば対応策をうつ
  4. 対応策によって生じたリスクも要検討

という感じです。

ちょっと個別に見てみましょう。

自分にとってリスクとは何かを考える

まずは自分にとってリスクとは何かを考えます。ここでいう自分は、個人の場合でもいいですし、自社や自分が属する組織としてもいいですね。

で、自分にとって、大なり小なりリスクがあると思います。リスクを考えると、世の中のあらゆることがリスクになります。車に乗ったら事故を起こす、あるいは事故に巻き込まれるかもしれないですし、家の中にいたら、地震や火災が起こる可能性だってあります。とにかく人間生きていれば、あらゆるリスクがあります。

とりあえず、自分にとってそれがリスクだと思えるものはいったんすべて出しておくといいかもしれないですね。

リスクがどれほど影響があるかを考える

その中で、自分にとっても優先度を考えることが大事かと思います。

リスクが起こる可能性や損害を考えた上で、どれが自分に対して最も影響を与えるのか、というのを考える必要があります。たとえ可能性が高くても、それほど損害がない場合は、影響度は低いと考えることもできます。

生じる可能性が低くても、莫大な損害が出る可能性がある場合には影響度が高いということもあります。これは個人や組織によってさまざまなので、全く同じ事柄に対しても影響度は変わってくると思います。またもちろん、年を重ねるごとに影響度が変わったり、住んでいる場所が変われば、影響度が変わるということもあります。

どれが正解ということもないですし、どれが不正解というのもない話ですね。

必要あれば対応策をうつ

で、上記で考えられた影響度・優先度をもとに、考えられる対応策をうちます。たとえば、車に乗る人であれば、保険をかけることになります。対応策についても、1つというわけではなくて、複数ある場合もあります。

そもそもそのリスクが生じる可能性を減らすというのも対応策ですし、リスクが生じてしまっても損害を減らすというのも対応策です。複数ある場合に、どれかを選択することもあれば、すべての対応策をうつというのも考えられます。

対応策によって生じたリスクも要検討

なお、対応策を考える際は、その対応策をとったことで生じるリスクも考える必要があります。車に乗るので、保険をかける場合、保険をかければ、その分金銭的には支払いの義務が生じます。なので、それは金銭面ではリスクとなってしまいます。できるだけ、不要なものは捨て、必要なものにのみ保険をかけて費用を削るということが必要になってきます。

すべてのものに対応することは無理なので、必ず必要なものに削る必要が出てきます。そして、対応策をとることが本当に必要なのかは、常にチェックする必要も出てきます。

保険なんかは、不要なものにずっとお金を払っていた、なんてこともありますし。

すべてのリスクに対応するのは不可能だ

大事なことはすべてのリスクに対応することは不可能だということを認識することだと思います。

はっきり言ってしまえば、人間生きている限り、どんな場所にいてもリスクが存在しています。なので、自分にとって対応しなくてはいけないリスクは何なのかを見極めることが大事です。そして、対応するにしても、まずは自分にとって無理のない範囲でできうる対応策を考えるべきです。

先ほども書いたように、リスクに対応しようとして対応策を立てたら、それが逆に新しいリスクになってしまうこともあります。

リスクマネジメントはあくまで、あらゆるリスクに対してマネジメントすることを指します。すべてのリスクに対して対応策をたてることではありません。

リスクの中には、「家に隕石が落ちてくる」というのも考えられます。これに対して、対応する人はほとんどいないと思います。リスクマネジメント上は、「隕石が落ちてくる」というのはそれが生じたとき、自分に対する損害は大きいけど、生じる可能性が極めて薄いので対応しない、という風に考えているわけです。

さすがに隕石では対応しようと考える人は少ないですが、でもこれが火事や地震などでは話が変わってきます。ガンや生活習慣病でもまた話が変わってきます。

人によっては対応すべきリスクになって、必要な対応策を考えることが大事ですが、人によっては対応しない、というのもあります。

そのリスクに対応しない、あるいはリスクへの対応は考えたけど、その対応策をとることが金銭的に負担が大きいので対応しない、というのは立派なリスクマネジメントとなります。

たまに営業の方などは、「リスクマネジメントのため、この保険に入った方が・・・」という方がいますが、保険に入ることもリスクマネジメントですし、保険に入らないという選択をするとしてもそれはリスクマネジメントです。

リスクに対して、しっかりとマネジメントしていれば、対応策をとらないというのも立派なマネジメントになります。

リスクマネジメント

リスクマネジメントをリスクに対して、対応策を取るという意味で使う人が多くいますが、それはあくまでリスク対応であって、リスクマネジメントとは少し異なります。

残念ながら、リスクマネジメントという言葉を営業トークの一環として、利用している人も多くいますが、そういった場合には、「私はリスクマネジメントするので、その保険には入りません!」と言ってしまえばOKかと思います。

マネジメントの意味を理解していれば、対応しないのもしっかりとしたマネジメントなのですから。

コメント

タイトルとURLをコピーしました