選挙の速報・開票報道を長々とすることに意味はあるのか?

日常

選挙ですよ、選挙!日本の未来を決めるというやつです!特に国政選挙の場合、ニュースなどで目にする機会も多く、いやでも注目が集まりますね。さて、そんな選挙について個人的に思うのが、「選挙の速報・開票報道はそこまで意味があるのか?」という点。

おいおい、選挙自体の話じゃないのかよ、と思ったかもしれないですが、選挙の話はテレビでもネットでもニュースなど見てればやってくれるので、それ以外の話をしたいわけです。

というわけで、今回は選挙報道について考えてみたいと思います。

選挙報道とは?

選挙の報道というと、時系列に分けると大まかに3つに分けられると考えています。

  1. 選挙前の情勢・立候補者・政党などの状況報道
  2. 選挙開票日当日の開票速報
  3. 選挙日以降の投票・情勢分析報道

今回話題にしたいのは2番目の選挙当日の開票速報を指します。皆さんも見たことありますよね?各テレビ局が投票終了時間である20:00より少し前19:50くらいから始まるテレビ番組。まずは開票速報と題して、20:00ちょうどにこれまでの出口調査や事前の調査によって、各党がどれくらいの議席を獲得できるかを予想したものが一気に発表され、その後、続々と当選確実が明らかになっていく。

コメンテーターが状況についてコメントしたり、選挙戦を振り返るなどということで、選挙戦の最中に撮ってきた映像を流したり。特に激戦となっている選挙区については、その選挙戦の様子を密着した映像なんか流したり。その後は各党の党首が記者会見をするということで、その映像を流し、それに続いてはスタジオの人からの質問に党首が答えたり。

これが20:00からずーっと続いて、その日1日が終わります。

今回話題にしたいのはこの選挙当日の20:00以降のテレビ番組についてです。

開票速報って長々とやりすぎやろ!

上記を書きながら、すでに思ったのですが、「開票速報って長々とやりすぎやろ!」ということです。

ちなみに、2016年7月10日(日)に第24回参議院議員総選挙が行われました。この日のテレビ欄はこちらです。

関西版のテレビ欄になりますが、安定のEテレや阪神大好きサンテレビを除くと、選挙の開票報道だらけです。テレビ見ようにもどこの放送局も選挙報道しているという状態になってしまいます。しかも、これがえげつないほど長い。20:00から始まってどの局も24:00くらいまでずっと続きます。明日から仕事や学校の人たちに、選択権はありません。テレビ局からは、「選挙報道を見る」という選択肢が与えられるのみです。

そこまで長くやるほど必要な情報なのか?

ここで問題にしたいのは、この選挙報道の長さです。選挙速報をすること自体は別に問題ないと思っています。でもこんだけ長くすることに意味はあるのでしょうか。正直、ここまで長くすることの意味が分かりません。

選挙速報としては、20:00ちょうどにいきなり速報として、各党の議席予想が出ます。そこである程度状況はわかります。だったらその先ってそこまで必要な情報ってありますか?長々と視聴者に対して必要な情報を届けることができていますか?

本当に欲しいのは議席がどうなるかだけでは?

議席予想についてはまだ納得できます。選挙で一番欲しいのは結果がどうなるかだからです。

例えば、ニュースでスポーツコーナーを見る際に、何がほしいかというと結果を教えてほしいわけです。ただ、結果だけだと面白くもないので多少はどんな試合だったかも伝えてほしい。その結果、スポーツコーナーでは、1分くらいでその試合の概要を伝えて、結果を知らせる。これで成り立っています。

それでいえば選挙報道も速報として伝えるならまず結果を教えてくれれば十分なんです。とはいえ、開票は時間もかかるもの。スポーツとは異なり、予め出口調査などである程度の結果がわかるので、開票を待たずに議席予想を出す。その後、多少の分析をする。それくらいで十分なのが選挙速報ではないでしょうか。それでいえば30分くらい、せいぜい長くても60分くらいあれば大丈夫でしょう。

後は普通の番組を流しながらL字で開票速報すればいいのでは?という気がします。

開票が長いから無理やり長くしていませんか?

ではなんでこんなに選挙報道って長くやるのでしょうか?それは単純に「開票には時間がかかるから」でしょう。開票作業が全部完了するには、数時間かかります。というよりは日付が変わるくらいまで開票作業は行っています。

で、開票速報と題うって報道するわけなので、随時開票速報をしていかないといけない。となるとその数時間は放送しないといけないという理論になるのでしょう。その尺を埋めるためだけに長々と選挙速報をやっているのではないでしょうか?

  • 尺が長くなるから、仕方なく選挙戦の映像を流す
  • 尺が長くなるから、コメンテーターを集めてコメントをさせる
  • 尺が長くなるから、選挙事務所の様子を流す
  • 尺が長くなるから、これまでの取材映像を流す

これらが果たして選挙速報として本当に必要なのでしょうか。

テレビ局と視聴者側のギャップ

もちろん、選挙戦の映像や取材映像などが一切不要だとは思いません。そういった情報はまた翌日にニュースとして流れますし、そこで見ればいいんじゃないかと思うわけです。党首へのインタビューもそうで、そこまで必要なものなのか、という気がします。

でもテレビ局側からすると、毎回恒例となっているわけだし、選挙ということで大々的に報道体制を組みます。当然、他局との視聴率競争にもなりますし、他局にはない視点で報道をしていきたいと考えます。これまでにない視点から選挙を見てみる、庶民的で視聴者に馴染みのあるコメンテーターを集めてくる、いち早く党首や重要人物からのコメントをとってくる。こういった争いをしてきます。

でも、視聴者側はそれを求めているかと言われれば、NOでしょう。結果さえわかればそれで十分なんです。そこにコメンテーターも選挙戦の様子も求めているわけではない。それをわざわざ当日にお金をかけて大々的にやるということを視聴者は求めていない。

ここに大きなギャップができてしまっているわけなんです。

上記のテレビ番組表でいえば、これならまずサンテレビで阪神vs広島戦を見て、その後時間たってからウィンブルドン見ようかなと思います。ただ、20:00ちょうどから数分は、選挙報道でも見ておこうかな、という程度だと思います。こういう人、けっこう多くないですかね。

選挙速報は見直してほしいけど・・・

というわけで、個人的には今のような長々とした選挙速報は見直してほしいと思っています。せめて1時間くらいやるのはいいですけど、もっと短くしてほしいです。どうせ23:00過ぎあたりからは普段からニュース番組をやっているわけですし、そこで再度詳しく報道してもいいでしょう。長々とやることに意味を見出せません。

でも、じゃあ選挙速報がなくなるかといわれるとなくならないでしょう。これはもう定番みたいなもので、各局がこの選挙速報という枠組みの中で視聴率を稼ぐということをしないといけない。そういう構造になってしまっているんですよね。ある業界の中では常識のことが別の業界では非常識のことになる場合は多々あります。結局は、テレビ業界は選挙速報を見直すことはしないでしょう。

でも、もし選挙速報を短めに放送して、他の番組やってくれる放送局があれば、それは是非見てあげたいなぁと思うわけです。

 

 

 

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