チラシ作成をする際に、何から考えていいか分からない人は多いでしょう。とはいえ、自分でチラシを作る必要のある人もいると思います。
「でも自分で作らないといけない」
「初心者だけどチラシ作りを任された」
「まずは自分でチラシを作成してみたい」
そんな方にとって、まずは最低限おさえておくべき、チラシ作りのチェックポイントをまとめてみました。
そもそもどうやって作っていけばいいかわからない
チラシ作りが初めての人にとって、まず問題となるのが、そもそもどう作っていけばいいのか、何を使って作っていけばいいのかが全く分からない点です。
というわけで、まずはどう作っていけばいいのかを考えていきましょう。
ソフト利用or手書きで作成?
チラシ作りを考える際に頭に浮かぶのはどのソフトを使えばいいのか?という点です。通常チラシ作成の際には、Adobe Illustrator(アドビ イラストレーター)と言われるソフトを使って作成します。プロの方やチラシ制作会社はもちろん、個人で使っている方もいますし、チラシを自作していきたいのであれば、是非使っていきたいのがこのイラストレーターです。ただし、ソフト自体(クラウド版もあり)が高価であるのと、操作に慣れていく必要があり、今すぐ作成しようとなると難しいです。
次に考えられるのが、Word・Excelです。こちらは仕事上で使う機会も多いのではないでしょうか。Word・Excelでもチラシ作成可能です。ただ、Word・Excelでチラシを作る場合、やや素人が作ったようになりがちです。基本的にはWordもExcelも文書作成用のソフトなので、チラシ作成が主ではありません。もちろん文章が中心となるチラシであればそこまで気にしなくていいですが、画像を使ってチラシ作成したい時にはオススメではないです。(もちろん、Word・Excelであっても、しっかり駆使していけば画像を取り入れてチラシ作成していくこともできますが。)
次に考えていくのが、PowerPointになります。こちらも仕事上で使う機会がある方もいるかもしれません。もし画像を多用してチラシを作っていきたいならWord・ExcelよりはPowerPointの方をお勧めします。パワポの場合、元々プレゼンテーション用なので、画像や図を多用しても見やすい作りになっています。チラシとの相性が良いので、Word・Excelよりはオススメです。
一方で、これらのソフトを利用した事がないという人もいるかと思います。その場合には、手書きというのも選択肢の1つです。店舗のチラシや、ちょっとしたイベントのチラシであれば、手書きの方が暖かさを感じて、好感度が上がることもあります。ソフトが使いこなせない人はまずは手書きでもいいのでチャレンジしてみてください。
どうしても自作が難しい人は?
どうしてもチラシの自作が難しい人は、作ってもらう必要があります。チラシ作成業者に頼むという選択肢もありますが、クラウドワークスや、ランサーズなどのクラウドソーシングサービスを利用するのもいいでしょう。クラウドソーシングサービスの場合、1つの業者に任せるよりも多数の応募があるので、比較して最適なチラシを選ぶ事ができます。もちろん、お金はかかりますが、業者よりは安価にすむことがほとんどです。チラシの場合、3万円でかなりの応募数が得られます。
自作が厳しい人はクラウドサービスも検討してみてください。ただ、クラウドサービスを使う場合でも、全て丸投げでできるというわけではないです。よって以降にまとめているチラシ作成のチェックポイントを意識して、依頼を出してください。これをするかしないかで、自分が意図しているチラシができるかどうかが変わってきますので注意してくださいね。
チラシ作りの際にチェックすべきポイント
では、チラシ作りの際、チェックすべきポイントを考えていきましょう。
①内容検討→レイアウトを考える
まず大事なのは、チラシ作りの際にいきなり作り始めないこと。チラシ=デザインと考える人が多く、レイアウトから考えだす人が出てきますが、レイアウトは後から考えるべき事です。まずはチラシに書く中身を考えてください。中身を考える際に重要なのは以下の点です。
- 何のお知らせなのか
- 誰向けのチラシなのか
- なぜ今チラシを作るのか
- イチオシすべきことは何か
- 伝えておくべき商品情報は何か
まずは箇条書きでいいので、これらの情報を書き出していってみてください。これをやる前にレイアウトを考えても、無理矢理押し込むことになってしまいます。まずは情報を書き出してからそれをレイアウトにしていく、という流れにしてみてください。
レイアウトは上・中・下で考える
次にレイアウトを考える際には、上部・中・下部の3つを考えましょう。基本的には上部と下部は重要な情報を掲載することが多いです。特に上部は、呼び込みの重要なスペースになりますし、下部は、問い合わせを作り出すスペースとなります。真ん中には商品情報などを詳細に書くようにします。上・中・下と分けてレイアウトを考えてみましょう。
呼び込みスペースは客を呼び込むためのスペースとなります。商品のキャッチフレーズを載せたり、この商品は誰向けの商品かを記載する、あるいはこんな悩みを持っている人にオススメなど、チラシの中での呼び込みを行います。呼び込みスペースは多くの情報を詰め込むのでなく、端的に情報をまとめることが大事です。チラシをもらった方が、「これは私向けのチラシだ」と短い時間で感じてもらえるような工夫が必要となります。
それに対して、詳細スペースには文字通り、商品の詳細な点をおしらせすることが大事です。値段や効能などももちろんですし、商品の写真もしっかり掲載してあげることが必要です。また、利用していただいている人の感想を掲載すると、より利用者が身近に感じるので、感想を掲載するのもおすすめです。
最後の問い合わせスペースは、チラシを受け取った人が、どう問い合わせしたらいいのかを明確化するスペースです。店舗であれば、マップや住所、予約用の電話番号などを記載しましょう。商品であれば、商品を買いたい場合、どこに連絡すればいいのか、またその方法はどうしたら良いのかを、記載しましょう。問い合わせは、連絡するお客の立場からすれば煩わしさが生じる作業です。障害をできるだけ取り除いてあげるよう工夫することが重要となります。
②チラシの対象を決める
さて、ではその内容検討にはいります。まずはチラシの対象をしっかり決めましょう。このチラシは誰に向けて書いているチラシなのか、というのを明確にしてください。ここで大事なのは、とにかく対象を具体化することです。
この商品を多くの人に売り込みたいという場合、どうしても対象を広げたくなります。ただ、チラシをもらう側からすると、対象の広いチラシは、「自分向けのチラシではない」と感じてしまいます。そこで、できるだけ対象を絞ってください。ざっくりと、女性向けとか、若者向けというのでは響きにくいチラシになってしまいます。
チラシ対象者を1人具体化する
対象を具体化する際には、それを利用する人を具現化してみるといいでしょう。この商品を絶対に利用してほしいという人物を1人考えて、その人の人物像を事細かに思い浮かべてみてください。
仮に、新しい化粧品を売り込みたい、そのためのチラシを作る場合を考えます。
- 30代の女性で都内で働いている
- 平日は時間がなく、市販の化粧品を利用している
- 休日はちょっと贅沢な暮らしをしてみたい
- 実家に住んでおり、都心まで1時間程度の場所に住んでいる
- 独身でお金には余裕がある
- 休日は大人らしい格好で街を歩きたい
こんな人物像を掲げます。もう少しいえば、家族構成や趣味、職種なども考慮してもいいでしょう。今回の商品はこんな女性向けの商品であれば、この人に向けたキャッチフレーズや呼び込みのフレーズを考えるようにしましょう。
多くの人に売っていきたいと考えると、どうしても対象者を広げてしまう傾向がありますが、グッと我慢して対象者を絞ってチラシを作成してください。
③アピールポイントを決める
対象が決まったらアピールポイントを決めましょう。この商品はここが売りとなっているポイントです。
基本的に、人が物を買うのには2つのポイントがあります。1つは現状に不満がある、物足りない、と思っている物を改善した商品を購入したいという点です。もう1つは、現状で満足できているけどさらに向上したものがほしいという点です。
これ以外に作ることも可能ではありますが、まずはアピールポイントはこのどちらかにするとチラシを作りやすくなると思います。また、市販のものより自社商品の方が改善できている場合には、20%改善のように具体的な数値を見せるのも有効です。
なお、アピールポイントは1つに絞っても良いですが、複数挙げてもらっても構いません。商品のポイントを3つくらいで箇条書きにしてあげると、チラシを受け取った人もわかりやすくなります。ただ、あまりに多すぎると逆にわかりにくいチラシとなるので、複数の場合は3〜5くらいを目安にチラシに記載するのがいいでしょう。
④どこに問い合わせるかを決める
続いて、問い合わせ先を決めます。呼び込みがチラシの入り口、詳細がチラシの中身だとすると問い合わせはチラシの出口にあたります。せっかく見てもらったチラシもしっかりと出口に誘導してあげないといけません。意外とおろそかになりがちな箇所なので、注意してください。
まずは、物理的な問い合わせ方法を考えましょう。電話なのかFAXなのか、Web申し込みなのかを決める必要があります。チラシの場合は電話にすることが多いと思います。電話の場合は、ただ電話番号を載せるだけでなく、「お電話の際は『チラシを見た』とお伝えください」のように、電話する際の言葉を予め記載しておくのがオススメです。お客様がいきなり知らない場所に電話するのは勇気がいります。最初まず何を言っていいのかわからなくなる可能性もあります。そこで「チラシを見た」という言葉があれば、電話するのがスムーズになります。
また、電話を受けた側もチラシを見て電話したのがわかるので、こちらもスムーズに説明をしていくことが可能です。電話の際には是非記載しておきましょう。
Webの場合であれば、QRコードを記載しておく、あるいは検索ワードを記載するのが大事です。申し込みのアドレスを記載するだけだと、申し込みに手間がかかり、障壁となってしまいます。お客様が障壁を感じる部分をなくしていくことが問い合わせの重要ポイントです。
もし、問い合わせではなく、新規開店のお知らせなど、具体的な問い合わせではなく、店舗に直接来て欲しい場合は必ずマップを作成してください。マップに関しては駅などのランドマークからどれくらいかかるか、というのを見やすくするのが大事です。また、お店の場所がわかりにくい場合は、外観写真などを掲載しておくのも大事です。
⑤カラーを決める
さて、内容が決まったらあとはレイアウトとなりますが、レイアウトを決める前に大事になるのが、カラーです。初心者がチラシ作成をすると、どうしても色々なカラーを利用してしまうことがあります。ただ、カラーに関しては絞っていく方が有効です。チラシを見た時に、このチラシは何色なのかわかるチラシの方が、オススメです。逆に様々な色を使いすぎて、何色かわからないチラシだと、統一されていないチラシだと感じてしまいます。必ずカラーは統一するようにしましょう。
色相環と補色・類似色
カラーを決める際に大事になるのがまず色相環と呼ばれるものです。これは色を円状に並べたもので、下のようなカラー配置になります。(これは12色を並べたものですが、もっと細かく並べたものもあります。)
この色相環で反対の位置にあるものを補色と言います。例えば、一番上の赤の反対側には水色がありますね。つまり、赤の補色は水色になります。これは正反対の色を示しています。
また、隣同士になっている色もあります。例えば、赤の右隣にはオレンジ色があります。この隣同士にある色を類似色と言います。赤とオレンジは類似している色になります。
基本のカラーと類似色をメインで利用
さて、それではカラーを決める際にどう決めるかを考えます。基本はまず1つメインのカラーを決めて、その他は類似色を1〜2種類程度、合計2〜3種類をメインのカラーとしましょう。例えば、赤色をメインとする場合、赤色を中心に利用して、ピンクやオレンジをいくつか利用する形でチラシを作成してみましょう。色相環がバラバラなチラシを作ってしまうと統一感がなくなります。まずメインのカラー、プラスして類似色を利用するを基本としてください。
補色はワンポイントで利用
1つのカラーとその類似色が基本ですが、例えば、どうしても伝えておきたい大事な箇所も出てくると思います。そういった場合は、インパクトを残すために補色を利用しましょう。補色を使うと、その部分が印象に残りやすくなります。ただし、あくまで補色はワンポイントで、たくさん使うことがないように気をつけましょう。
カラーイメージを知ろう
さて、ではメインのカラーを何にしたらよいでしょうか。それにはカラーイメージを理解しておくことが大事です。色にはそれぞれイメージがあります。自分が作りたいチラシにどんなイメージを持たせたいかを意識してメインカラーを決めるようにしましょう。
カラーイメージは以下にまとめておきます。
カラー | イメージ |
---|---|
赤 | 活動的・情熱・力強さ・暴力 |
黄 | 向上心・明るさ・希望・幼さ |
緑 | 調和・自然・リラックス・自然 |
青 | 平和・冷静・清潔・クール |
紫 | 高貴・優雅・非現実・厳か |
白 | 清潔・潔さ・純粋・空虚 |
黒 | 沈黙・高級感・男性的・暗闇 |
オレンジ | 家庭・仕事・暖かさ・傲慢 |
注意して欲しいのは、それぞれのカラーで良いイメージもあれば、悪いイメージを持たれることもあります。例えば、情熱や活動的なイメージもありますが、力強さが暴力的なイメージにもつながります。青は冷静さや清潔さというイメージがありますが、冷徹さなどのイメージを持たれることもあります。一長一短はありますが、自分が推したい商品に合わせてカラーを選ぶようにしましょう。
コメント